「行動」すること

つばき30

2006年04月23日 12:00

コーチングの「型」(プロセス)はGROWモデルと呼ばれますが
対話の中で、「行動」することについて非常に重点を置いてはなします。

クライアントへの質問で(単純化すると)
「現状は目標に対して、10点満点のうち何点ですか?」
「1点、点を上げるためには何が出来ますか?」
「0.1点、点を上げるためには何が出来ますか?」

こういった質問をよくします。
一歩に満たなくてもよいから、何か今少しでも「行動」出来ることは
ないのかと言うことを掘り下げて考えて行きます。。
「ベイビーステップ」と言いますが、小さなステップでも続けることで
必ず前進はあります。

「大きな行動」は心理的に抵抗があってなかなか出来ないもので、
思い悩んでいる間に時間だけが過ぎてしまうと言うことはよくあります。
今すぐ出来る「小さな行動」から始めることが、「大きな行動」につながる
突破口になります。コーチングでは次のセッションまでに出来ることを
コーチとクライアントで約束しますので、更に効果てき面です。


おまけですが
「行動」についても脳の仕組みから考えて見ます。
再度、『海馬 脳は疲れない』(池谷 裕二)からです。

何かやろうと思ったときに、
「気分が乗らない」「やる気になれない」「最初の一歩が踏み出せない」
と言うことはよくあると思います

こういった、行動が起こらない仕組みは脳に有るそうです。

脳には、「やる気」を生み出す「側坐核」という部分があってその働きで
やる気が左右されます。

***引用***
『脳のほぼ真ん中に左右ひとつずつある。脳をりんごだとすると
 ちょうど、りんごの種みたいにちっちゃな脳部位です。ここの神経細胞が
 活動すればやる気が出るのです』

『側坐核の神経細胞は厄介な事に、なかなか活動してくれないのです。
 どうしたら活動をはじめるかというと、ある程度の刺激が来たときだけです。
 つまり、「刺激が与えられるとさらに活動してくれる」と言うことでして・・・
 やる気がない場合でもやりはじめるしかない』

『やってないから、やる気が出なくて当たり前です。』

『側坐核は海馬と前頭葉に信号を送り、アセチルコリンと言う神経伝達物質を
 送っています。この物質がやる気を起こします。アルツハイマー病の患者さんは
 このアセチルコリンがすごく減ってしまうんです。だから生気がないというか、
 覇気を感じない状態になる。』

このように、脳の仕組みからもまず行動が大切なのが分かります。
コーチングで重視する「ベイビーステップ」は理にかなっていると言うことです。

側坐核は直径2ミリ、重さ0.2グラム程度の脳部位ですが
そういったものに、行動が支配されていると言うのは不思議です。

更におまけですが、
タバコに含まれるニコチンは一時的に側坐核を興奮させてやる気を出させ
風邪薬や下痢止めの薬には、アセチルコリンの働きを抑える成分
(ジフェンヒドラミンやスポコラミン)が入っているので眠くなるそうです。

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